2026年08月28日 MI Daily News

目次

  1. [論文] 中エントロピー合金ナノワイヤの力学特性を分子動力学シミュレーションで解析
  2. [論文] 計算化学における低スケール化アルゴリズムの新展開:オフ対角低ランク性の活用
  3. [論文] 分子電子構造計算用Juliaパッケージ ElemCo.jl の開発
  4. [論文] 高スループット創薬スクリーニングにおける定量化可能性の予測機械学習モデル
  5. [企業] データケミカル、材料開発向けAIサービス「データ活用推進パッケージ」を提供開始
  6. [企業] 堀場製作所、燃料電池触媒材料開発を自動・自律化する実験システムを本格化
  7. [ニュース] ポリマー開発を加速するマテリアルインフォマティクス実践セミナー開催
  8. [論文] 化学空間の生成的探索を実現する対称性を考慮した関数基グラフ表現手法 Grouper
  9. [論文] Cuナノ粒子の構造予測を実現する複数スケール対応の専門家混合モデル
  10. [論文] 二次代謝産物の計算創薬応用に関する国際ワークショップ CAiSMD 2026 の開催報告

[論文] 中エントロピー合金ナノワイヤの力学特性を分子動力学シミュレーションで解析

  • CoCrNi中エントロピー合金ナノワイヤの一軸引張特性を、分子動力学シミュレーションを用いて複数の結晶方位で調査しました。
  • FCC構造を有するナノワイヤの異方的機械挙動の詳細を計算科学手法で明らかにしています。

用語解説

  • 分子動力学シミュレーション: 原子・分子の運動を古典力学に基づいて計算し、材料の物性や挙動を予測する計算手法
  • 中エントロピー合金(MEA): 複数の元素がほぼ等しい原子比で構成された高エントロピー合金の一種で、優れた機械特性を持つ

出典: arXiv cond-mat.mtrl-sci


[論文] 計算化学における低スケール化アルゴリズムの新展開:オフ対角低ランク性の活用

  • 計算化学で頻出する行列(クーロン行列、電子相互作用テンソル、密度行列など)の「オフ対角低ランク性」という新しい数学的性質を指摘しました。
  • この性質を利用することで、従来は困難だった低スケーリング計算アルゴリズムの設計に新たな道が開けます。

用語解説

  • 低スケーリングアルゴリズム: 計算時間が系の大きさに対してより緩い関数で増加するアルゴリズム。大規模分子系の計算を実現
  • オフ対角低ランク性: 行列の非対角成分が低ランク構造を持つ特性。計算複雑性の削減に利用可能

出典: arXiv physics.chem-ph


[論文] 分子電子構造計算用Juliaパッケージ ElemCo.jl の開発

  • Coupled ClusterおよびDistinguishable Cluster法に特化した、オープンソースのJuliaパッケージを発表しました。
  • マクロベースのユーザーインターフェースにより、Julia未経験者でも分子電子構造・物性計算が容易に実行できます。

用語解説

  • Coupled Cluster法: 量子化学における電子相関を高精度で取り扱う計算手法。分子の電子構造と物性予測に広く用いられる
  • Julia: 科学計算・数値解析向けに設計された高性能プログラミング言語

出典: arXiv physics.chem-ph


[論文] 高スループット創薬スクリーニングにおける定量化可能性の予測機械学習モデル

  • 低コストの一次スクリーン結果から、より詳細な用量反応プロファイリングに進む化合物を効率的に選別する機械学習モデルを提案しました。
  • 創薬開発における高コスト実験の削減に貢献します。

用語解説

  • 高スループット創薬スクリーニング: 多数の化合物に対して並列に生物活性を測定し、有望なリード化合物を効率的に探索する手法

出典: arXiv q-bio.BM


[企業] データケミカル、材料開発向けAIサービス「データ活用推進パッケージ」を提供開始

  • 材料開発とAIの連携を支援する新サービスを提供開始しました。
  • 企業の材料開発プロセスにおけるデータ活用と機械学習導入を加速させることを目指しています。

出典: PR TIMES


[企業] 堀場製作所、燃料電池触媒材料開発を自動・自律化する実験システムを本格化

  • マテリアルズインフォマティクス領域に本格参入し、燃料電池用触媒の次世代材料開発の自動・自律実験化を推進しています。
  • 材料開発の効率化と高速化により、革新的な触媒材料発見を加速させる狙いです。

用語解説

  • マテリアルズインフォマティクス(MI): データ科学と計算科学を活用して材料開発を加速させる学際分野。機械学習モデルや自動実験と融合

出典: ニコニコニュース


[ニュース] ポリマー開発を加速するマテリアルインフォマティクス実践セミナー開催

  • ポリマー材料開発にマテリアルインフォマティクスを適用する実践的な手法を学ぶセミナーが開催されました。
  • データ駆動型の高分子材料設計プロセスの確立と研究開発の高度化を支援しています。

用語解説

  • マテリアルインフォマティクス: データ科学と計算手法を活用して材料特性を予測・最適化する技術

出典: ニコニコニュース


[論文] 化学空間の生成的探索を実現する対称性を考慮した関数基グラフ表現手法 Grouper

  • 対称性を組み込んだ関数基グラフ表現により、化学空間の生成的探索を実現する新手法を開発しました。
  • 分子設計と化学物質探索の効率化に貢献します。

用語解説

  • 生成的探索: 機械学習モデルを用いて、望ましい性質を持つ新しい分子や物質を能動的に生成する手法
  • グラフ表現: 分子をグラフ構造として表現し、ノード(原子)とエッジ(結合)で化学構造をコード化する方法

出典: npj Computational Materials


[論文] Cuナノ粒子の構造予測を実現する複数スケール対応の専門家混合モデル

  • 異なるサイズのCuナノ粒子の構造を高精度で予測する機械学習モデル(混合専門家モデル)を開発しました。
  • スケール横断的な材料特性予測が可能になり、ナノ材料設計の加速に貢献します。

用語解説

  • 混合専門家モデル(Mixture of Experts): 複数の専門化したモデルを組み合わせることで、複雑な非線形関係を効率的に学習する機械学習アーキテクチャ

出典: npj Computational Materials


[論文] 二次代謝産物の計算創薬応用に関する国際ワークショップ CAiSMD 2026 の開催報告

  • バイオインフォマティクス・ケモインフォマティクスを二次代謝産物の創薬発見に応用する国際ワークショップが開催されました。
  • 化学情報学と薬物発見の融合による新規医薬品開発アプローチの推進を目指しています。

用語解説

  • バイオインフォマティクス・ケモインフォマティクス: 生物・化学情報と計算手法を融合させ、医薬品やバイオ分子の設計・発見を加速する分野
  • 二次代謝産物: 植物などが生産する有機化合物。医薬品開発の重要な天然物ライブラリとなる

出典: Journal of Cheminformatics


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